四国の右下木の会社、「農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書」を取得

PRESS RELEASE 2026.03.16

― 樵木林業による照葉樹里山回復と、備長炭を核とした地域循環モデルの構築―

このたび、農林水産省が実施する「農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明制度」において、株式会社四国の右下木の会社(本社:徳島県美波町、代表取締役:吉田基晴、以下「当社」)の取組が農山漁村への貢献活動として認められ、「取組証明書」を取得いたしました。

本制度は、農山漁村の振興に資する民間主体の取組について、その内容を確認のうえ証明するものです。当社が実践する「樵木林業」と高品質な「樵木備長炭」の製造・活用を核とした里山再生の取組が、地域資源の循環活用および地域経済への貢献の観点から評価されたものと受け止めております。

放置里山を「負の遺産」から「地域の資産」へ

かつて薪炭供給を支えてきた里山林は、薪炭利用の減少に伴う需要低下により利用が途絶え、放置が進んでいます。その結果、管理や手入れが行き届かない森林が増加し、倒木や土砂災害、ナラ枯れなどのリスクを抱えるとともに、森林構造の単純化による生物多様性の低下など、様々な課題が顕在化しています。
また、里山資源が十分に活かされないことで、管理に必要な資金や人材が地域内で循環せず、里山の荒廃と地域経済の停滞が進んでいます。
その一方で、照葉樹を原料とする備長炭は、生産量が減少する中にあっても、飲食店を中心に安定した需要があり、近年は海外の飲食市場や高級レストラン等での評価も高まるなど、国内外で市場が拡大しています。
こうした構造的課題に対し、当社は照葉樹の萌芽更新を活かす「樵木林業」を実践し、択伐・更新による持続型の里山再生と、伐採木を活用した高品質な備長炭の製造・供給を一体で行っています。さらに、規格化した炭窯とIoTによる温度可視化を組み合わせた「樵木スマート製炭」により、製炭工程の標準化と品質の安定化を実現し、再現可能な製炭モデルとして確立しています。
これにより、
・放置里山の健全化と災害リスクの低減
・木質資源の高付加価値化と安定的な需要創出
・地域内外を巻き込んだ経済循環の形成
・人材育成と担い手確保による資源管理体制の再構築
を同時に実現する持続可能な循環型モデルを構築しています。

自治体と官民連携による社会実装

当社は、徳島県南地域を拠点とする「とくしま樵木林業推進協議会」の構成員として、行政・森林組合等と連携し、里山再生の実践を担っています。樵木林業の普及と資源活用を官民一体で進める本モデルは、地域経済と環境保全の両立を図る実践事例となっています。
その取組を通じて確立した「樵木林業×製炭」のノウハウを活かし、兵庫県神戸市と協働しながら、都市部で発生する森林資源の循環利用にも取り組んでいます。

今後の展開について

未活用や放置による里山の劣化は、全国的な課題となっています。
当社は、これまで培ってきた樵木林業と製炭の仕組みを、同様の課題を抱える地域へ展開し、照葉樹資源を活かした持続可能な里山再生モデルの確立と普及を進めてまいります。
また、かつての緑化政策等により成長し、伐採期を迎えている都市部の照葉樹も循環に取り込み、広域的な資源循環モデルへと発展させます。
さらに、教育・防災・観光分野への展開に加え、地域産品との連携による高付加価値創出や海外輸出の拡大を通じて、高級インバウンドにも支持される日本の食文化を森林資源から支える仕組みの構築を目指してまいります。

代表取締役 吉田基晴コメント

かつて里山林は、地域の暮らしと稼ぎを支える「資産」でした。しかし、燃料革命以降、その利用が途絶え、多くの里山が放置され、いまや災害リスクや環境劣化リスクを抱える“負債化した森林”になりつつあります。
この問題は森林だけの問題ではなく、中山間地域の過疎化や地域経済の停滞とも深くつながっています。私たちは樵木林業を通じて里山経済を再構築し、森林の多面的価値を高め、地域の豊かさ、ひいては国富の増大につなげていきたいと考えています。
今後、照葉樹林の価値が改めて見直される時代が来ると私は考えています。徳島県南で磨いてきたこの実践を、全国の同様の課題を抱える地域へ広げ、日本の里山再生の実装モデルとして育ててまいります。