PHILOSOPHY

国土の70%が森林で、30%の人工林の他に、40%を里山(広葉樹二次林)が占める私たちの国。日本では、森林・木材こそが最大の資源と言えるのではないでしょうか。清純な空気も水も、風景も、そして、森林を中心に広がり、繋がり、紡いできた技術や文化や歴史、それら全てが私たちの資産であるように思われます。
古来から森林と共生してきた日本人は、ずっと森の恵みを受けてきました。時代の変化の中でその形は変われど、私たちには森の恵みが必要です。同時に、数多の年数をかけて人の関与を前提に創り上げられた森にも、適切な人の関与が必要です。

株式会社四国の右下木の会社は、ここ四国の右下で、今一度、森を中心にした、人と森の新たな関係を、森と人の営みの新たな循環モデルを創り上げたいと考えています。この地の先人達が築き上げた「樵木林業」の思想を継承し、自らが森に関与し、木に森に、新たな価値を生み出します。そして、プロダクトや提供サービスを通じて、多くの人が森林の受益者となる「森林関係人口」を創出して参ります。

※「樵木」「森林関係人口」は、(株)四国の右下木の会社の登録商標です。

MESSAGE

代表の写真

なりわいも産業も経済も
文化、歴史も森を中心に

代表取締役 吉田 基晴 Motoharu Yoshida

自宅に薪ストーブを設置した私は、薪づくりを通じて森に入り、木に触れ、木々のこと森林のこと山のこと、そして、この地域をも知るようになりました。
ここ四国の右下は、ウバメガシやアラカシなど、上質な薪や炭の原材料となる照葉樹が多産し、生産された薪や炭は、人々の暮らしを支えていました。
先人達は、適齢木を選んで伐る「択伐(たくばつ)」と、伐採株から芽を出し育つ照葉樹の萌芽力を活かした、林業技法「樵木林業(こりきりんぎょう)※2017年度 日本森林学会 林業遺産登録」を確立させました。樵木林業は、高い経済性を持った循環型の持続可能な森を創り上げ、薪炭燃料の一大供給地として、関西都市圏のエネルギーをも支えました。数百年を経た今も、日和佐地区のシティプライドとも言える、県内の最大規模の秋祭りや「ちょうさ(太鼓屋台)」は、薪炭産業による関西との交易・交流に起源を有しています。なりわい、産業、経済、そして文化、歴史も森を中心に成立していました。ここ四国の右下は、照葉樹林に大きな恩恵を受けてきたのです。
木質燃料が化石燃料に転換されたエネルギー革命。化学肥料の普及による肥料革命。また、戦後一気に広がった針葉樹林の、貿易の自由化による市場価値の低下。これらを機に、私たちは資源確保の場だった森林から距離を置くようになりました。あれほど大切にされた森林は経済的価値を失い、人々は森への関与を無くしていったのです。
放置され、孤児のようになった森は木々で飽和し、青々と繁茂する姿の裏で、様々な問題を生み出しています。ここ四国の右下の森も、伐採や手入れが途絶えた結果、大径化も進み、虫害や倒木が広がりつつあります。空気や水を浄化し、人も、川や海の生き物も養う森林が、その循環を止めつつあるのです。
人が山に関与し続けるには、理想や知識だけでなく、経済的動機が必要です。私たちは今一度、木々に森林に価値を産み出すことで、木材需要のエンジンとなることで、人と森との持続可能な関係を再構築してまいります。四国の右下木の会社の挑戦にご期待ください。

STAFF

  • 代表取締役

    吉田 基晴Motoharu Yoshida

    全国の地域振興支援を通して得た経験から、森林資源の利活用による森林国家日本の再興に挑む。

    日本人の暮らしや文化を支えてきた、我が国最大の資源とも言える森林が社会課題になりつつあります。今一度、森林の価値、木々の価値を再構築することで、日本を森林から元気にします。

  • 取締役/ストラテジックデザイナー

    能沢 和寛Kazuhiro Nozawa

    社内の多様なプロジェクトを把握し、全体像とその関係性を統合的に捉えた戦略を策定。アイデアから実践までの橋渡しを担う。

    森林には、ヒト、モノ、コトをつなげる媒介としての可能性が、まだまだあると考えています。その可能性を模索しながら、私たちだからできる豊かさの創造に挑戦していきたいと思います。

  • 取締役/製炭責任者

    椎名 洋光Hiromitsu Siina

    備長炭品質の維持・向上を探求する製炭責任者。製炭士としての豊富な経験と知識を活かして木との向き合い方を牽引する。

    四国の右下を支えた林業技術「樵木林業」。歴史ある山づくりによって育まれた素晴らしい自然資源を、現代の製炭技術と組み合わせ、100年先に繋がる地域産業の構築を目指します。

  • チーフフォレスター

    林 宏通Hiromichi Hayashi

    常に100年先の森林を見据える伐採責任者。最適な森林と人の在り方を追求し続ける。

    自然環境では「競争」もありますが、それは「共生」のプロセスとして起こるように感じます。自然の恵みを仕事としていく上で、常に「競争」と「共生」のバランスを考えていきたいと思います。

  • チーフマネージャー

    中村 悠Yu Nakamuera

    プロジェクト管理からコーポレート機能まで。現場とオフィスそれぞれとコミュニケーションをとりながら、社内のマネージメントを統括する。

    伝統と最新技術が融合した現代の森林産業を創出し、日本全国が抱える森林問題にアプローチできるモデル作りに取り組みます。

ADVISER

  • アカデミックアドバイザー

    黒田 慶子Keiko Kuroda

    ※この情報は2023年12月時点のものです。
    森林と人の営みの「現代版」循環モデルを、学術的見地よりサポート。

    日本の温暖湿潤な環境では、森林は適度に伐って利用することで、健康に持続させられます。しかし、実状として広大な里山は放置され荒れている中、広葉樹の利用を進め、資源循環の仕組みの再構築を試みます。

    • [略歴]

      京都大学大学院農学研究科博士課程修了、農学博士。 1985年より森林総合研究所、 2010年より神戸大学大学院教授。2022年に退任し、同大学名誉教授。Arboreta合同会社代表、株)ダイセル オブザーバー、京都大学生存圏研究所特任教授。

    • [専門]

      森林保護学、森林病理学、樹木組織学。マツ材線虫病(マツ枯れ)やナラ枯れなど、樹木萎凋病の発病メカニズムのミクロな世界を研究。その一方で、予防医学の観点から、里山や人工林の健康維持に取り組み、行政や里山整備団体、樹木医にも指導を行ってきた。

    • [所属学会等]

      日本森林学会会長(2018〜2020)・理事、樹木医学会理事、大日本山林会理事、International Academy of Wood Science理事など。

    • [著書]

      「森林病理学」朝倉書店、「ナラ枯れと里山の健康」全国林業改良普及協会など。

OUTLINE

会社概要 株式会社四国の右下木の会社
代表取締役 吉田 基晴
設立 2021年4月16日
所在地 〒779−2305 徳島県海部郡美波町奥河内字弁才天54-5