㈱四国の右下木の会社、「第12回グッドライフアワード」で環境大臣賞を受賞

PRESS RELEASE 2024.12.09

~伝統林業の再興と備長炭で持続可能な里山を創る~

里山資源の利活用を通じて、持続可能な森林づくりと中山間地域の振興に取り組む株式会社四国の右下木の会社(本社:徳島県海部郡美波町、代表取締役:吉田基晴、以下「四国の右下木の会社」)は、環境省主催の「第12回グッドライフアワード」において、環境大臣賞を受賞いたしました。本アワードは、環境保護や社会貢献を通じて持続可能な社会の実現を目指す取り組みを広く評価し、企業・団体・個人を表彰するもので、弊社の経済性と環境性を両立させる活動が高く評価されました。

■代表取締役 吉田基晴 コメント

生物多様性の回復や水源涵養などの環境面、また、社会・文化的側面など、里山が持つ多面的価値を維持していくには、里山への人の継続的な関与が必要だと考え、持続可能な手法での資源活用と産業化を、官民連携で進めて参りました。この取組が評価されたことを大変嬉しく思います。この度の受賞を励みに、今後も、中山間地域の振興と森林保全という社会課題に正面から取り組んで参ります。

■取り組みの要旨

四国の右下木の会社は、2021年に樵木林業推進協議会が発足したことを契機に、徳島県および地域の基礎自治体と官民連携で、その歴史は室町期にも遡る地域伝統の循環型林業技法「樵木林業※」の再興に取り組み、燃料革命以降放置され荒廃が進んだ里山照葉樹林の再生・保全を推進しています。また、樵木林業で得た木材を原料に、独自の製法で備長炭を製造しています。炭窯の規格統一とIoTクラウドを活用した製炭アシスト機能を導入し、製炭技術を体系化することで、全国で再現可能な里山活用モデルを構築しました。四国の右下木の会社は、燃焼性能の高さと希少性から、国内外で高価取引される備長炭産業を興すことで、「持続可能な里山」と「食える産業」を同時に実現する取り組みを進めています。

さらに、地域の食材を地産薪炭で味わう食のコンセプト、「地炎地食」を提唱・拡大することで、農林水産物の新たな消費を創出するだけでなく、中山間地域の魅力発信により、「森林関係人口」とも言える、新たな交流人口の拡大を進めて参ります。

※) 樵木林業:徳島県美波町(旧日和佐町)及び牟岐町を中心に徳島県南部で発達した、ウバメガシやカシなどの常緑広葉樹(照葉樹)を対象とした林業技法。照葉樹の萌芽力を活かした、択伐矮林更新法(たくばつわいりんこうしんほう)や魚骨状の林道によって伐採・搬出が行われ、河川を利用した管流しで搬出されていたのが特徴である。「海部(かいふ)の樵木林業」として、2018年5月29日に一般社団法人日本森林技術学会の林業遺産に登録。

参考情報:ウィキペディア「樵木林業」について

■今後の展望

四国の右下木の会社は、循環型林業と製炭技術の体系化を進め、森林課題を抱える他地域へ展開することで、地域振興と森林回復を実現します。里山は人の手によって支えられてきた場所であり、その持続には今もなお人の関与が欠かせません。森林と人の新たな関係を築き、地域の柱石と成り得る「100年の産業」と「100年の森林づくり」を美波町から全国に拡げて参ります。

■徳島県 後藤田正純知事からのエンドースコメント

「株式会社四国の右下木の会社」が、県、市町をはじめとする「とくしま樵木林業推進協議会」における中心的事業体として、本県独自の伝統産業である「樵木林業」と、再生可能エネルギーを生産する「備長炭産業」の再興に取り組み、この度、その功績が高く評価され環境大臣表彰を受賞されたことを大変うれしく思います。
今後とも、「樵木林業」のさらなる発展に向け、この取り組みを地域・事業体のリーダーとして牽引していただけることを期待しております。

■取り組みの様子

樵木林業による択伐伐採
ナラ枯れ病感染木の再生
製炭の様子
作業道施行の様子

会社概要

商号:株式会社四国の右下木の会社
所在地:徳島県海部郡美波町奥河内字弁才天54-5
代表者:吉田基晴
設立:2021年4月
事業:樵木林業による天然林を対象とした循環型林業、備長炭などの薪炭エネルギーの製造販売、森林資源活用を核とした地域振興モデルの自治体向けサービスの提供
URL:https://www.treecompany.jp/
Mail:info@treecompany.jp
ECサイト:「KORIKI STORE」:https://www.korikistore.com/